お金の悩み

お金の漠然とした不安、原因は5つのタイプに分かれる|FPが見た「不安の正体」

板山 久美子

板山 久美子

FP2級|証券外務員一種・二種|生命保険募集代理人

お金の悩みの奥にある「本当の理由」に踏み込むFPライター。
銀行・証券・保険業界での実務経験7年半、金融ライター歴2年以上。
カウンセラー実務経験あり。

レジで合計金額を見て、ちょっと身構える。

貯金残高を確認するのが、なんとなく怖い。

コンビニで買い物をするだけなのに、支払うときにモヤッとした感情が浮かぶ。

でも、その理由は自分でもよく分からない。

金融の現場で実務に携わっていた経験から言うと、この「理由の分からない不安」を抱えている人は、本当に多いです。

お金の漠然とした不安は、原因が特定できていないために起きるもので、大きく5つのタイプに分けられます。

この記事では、その5つを一つずつ見ながら、あなたの不安の正体を一緒に探していきます。

この記事でわかること
  • 自分の「なんとなく不安」がどのタイプに近いかが分かり、不安の出どころが見えてくる。
  • モヤモヤした不安を自分の言葉で説明できるようになり、正体不明の怖さが軽くなる。
  • 自分のタイプに合った対処の一歩が分かり、不安をそのままにせず動けるようになる。

なぜ「漠然とした不安」は原因が分からないのか

なぜ「漠然とした不安」は原因が分からないのか

お金の不安には、大きく2種類あります。

ひとつは、「教育費が足りるか心配」のように、何が心配かはっきりしている不安。

そしてもうひとつが、何が心配なのか自分でも分からないまま、ずっと心にひっかかっている不安です。

後者は、家計簿をつけても、貯金を増やしても、なぜかモヤモヤが晴れません。

何に対して不安なのかが見えていないので、手の打ちようがないのです。

これは、あなたの考えが甘いわけでも、心配性すぎるわけでもありません。

だからまずは、「私の不安はどこから来ているんだろう」を一緒に探すところから始めてみましょう。

お金の漠然とした不安、5つのタイプ

お金の漠然とした不安、5つのタイプ

ここから、漠然とした不安の後ろに隠れている5つのパターンを紹介します。

ひとつだけに当てはまる人もいれば、いくつか重なっている人もいます。

「あ、これ私のことかも」と思いながら読んでみてください。

①親からの刷り込み型

お金の不安の入り口は、実は自分ではなく「親」だったりします。

お金に対する感覚は、育った家庭でほぼ決まると言っていいくらい、親から子へ受け継がれます。

これは私自身の話ですが、子どもの頃、家族でラーメン屋に行くと、いつも一番安いメニューを頼んでいました。

高いものを我慢していたというより、そもそも「高いものを選ぶ」という発想自体がなかったんです。

私の親も、買うならなるべく安いものというタイプで、気持ちよくお金を使う姿を見た記憶がほとんどありません。

板山 久美子
板山 久美子
うちの実家、外食は「一番安いもの一択」でした。

貧乏だったわけではないんですが、高いものを選ぶという選択肢が、そもそも頭になかったんですよね。

大人になった今も、値段の高いものを選ぼうとすると、なぜか気が引ける。

もしそうなら、それは今のあなたの判断ではなく、育った家庭の金銭感覚がそのまま残っているだけかもしれません。

「これは私の性格ではなくて、親から受け継いだクセなんだ」と分かるだけで、自分を責める必要がなくなります。

②収支・ミニマムコスト不明型

お金の不安がいちばん大きくなるのは、「自分の家計が見えていない」ときです。

毎月いくら入ってきて、いくら出ていっているか。

これを正確に答えられる人は、実はそんなに多くありません。

FPの視点で見ると、この「なんとなくしか分かっていない」状態こそが、漠然とした不安の大きな原因です。

なににいくらかかっているかを知るのは、お金の安心のそもそもの大前提だと私は思っています。

もうひとつ、私がやってよかったのが、100歳までのキャッシュフロー表(将来の収入と支出を年ごとに書き出した表)です。

これを作ってから、将来への不安がすごく減りました。

「うちは最低これだけあれば回る」というラインが分かると、「これだけ入ってくれば大丈夫なんだ」と思えるようになるからです。

不安の正体は、お金が足りないことではなく、足りるかどうかが分からないことだったりします。

私は自分で作りましたが、FP相談で作ってもらうこともできます。

家計の数字が見えてきたら、次は「どこをどう軽くするか」です。

我慢せずに支出を見直す具体的な方法は、こちらの記事でお話ししています。

③老後不安型

「老後2000万円問題」という言葉を聞いてから、老後のお金が心配になった、という人は多いはずです。

ただ、この不安、具体的な金額を知らないまま抱えていませんか。

将来いくら必要かが分からないまま、なんとなく足りない気がする状態が続いているだけ、というケースがよくあります。

実は、老後に必要な金額は、家庭によって全然違います。

住まいが持ち家か賃貸か、年金がいくらもらえそうか。

そして意外と大きいのが、退職後にどんな暮らしをしたいかです。

旅行に行きまくりたい人と、家でのんびり過ごしたい人では、必要なお金がまったく違います。

板山 久美子
板山 久美子
ちなみに私、老後は家でブログ書いていられれば満足なので、たぶんそんなにお金いらないんです。

「いくら必要か」って、結局その人が何をしたいか次第なんですよね。

「自分の場合はいくらか」を一度ざっくりでも出してみると、2000万円という数字に振り回されなくなります。

④幸せの基準が自分の外にある型

お金があれば安心できる、とはかぎりません。

お金の量と、安心感は、必ずしも比例しないからです。

私の周りにも、対照的な例があります。

お金には困っていなさそうなのに、いつもどこか苦しそうに見える人。

一方で、経済的には余裕がなさそうなのに、夫婦仲がよくて、幸せそうに見える人。

実際の内情までは分かりませんが、外から見えている姿として、この違いは確かにあります。

板山 久美子
板山 久美子
私だったら、お金があっても気持ちよく使えないほうが苦しいと思います。

足るを知っている人って、金額が少なくても満たされて見えるんですよね。

「これだけあれば私は幸せ」という基準を自分の中に持っていないと、いくらお金があっても安心にたどり着けません。

基準が自分の外、つまり他人との比較や世間の平均にあると、いくら貯めても「もっと必要かも」が終わらないからです。

⑤情報に煽られる型

お金の不安をあおるようなニュースが毎日溢れていますよね。

でも、それだけ不安をあおるのには、からくりがあります。

テレビもネットも、「視聴者を安心させるより、不安にさせたほうが見てもらえる」というビジネスだからです。

「老後2000万円問題」のように、数字だけが独り歩きすることもあります。

不安になる情報のほうが目を引くし、記憶にも残ります。

つまり、あなたが毎日浴びている情報は、そもそも不安をあおるように作られているんです。

これを知っているだけで、不安なニュースを見ても、まともに受け止めすぎずにすみます。

不安になったときに、「あ、これは煽る作りになってるな」と一歩引いて見られるようになるからです。

自分がどのタイプか分かったら、次にやること

自分がどのタイプか分かったら、次にやること

5つのタイプを見て、「これかも」と思うものはあったでしょうか。

ひとつに絞れなくても、大丈夫です。

不安の原因は、たいてい複数が絡み合っています。

親からのクセもあるし、家計も見えていないし、ニュースにも煽られている。

どれかひとつだけ、という人のほうが少ないくらいです。

だから、一番心当たりがあるものから、ひとつずつほどいていけば十分です。

タイプによって、次の一歩は少しずつ違います。

自分がどのタイプに近いか、そして次に何をすればいいか。

当てはまりやすい人の特徴と一緒に、下の表にまとめました。

※ この表は横にスクロールできます ⇄
タイプ こんな人 次の一歩
親からの刷り込み型 高いものを選ぶときに、理由もなく気が引ける 「これは私の感覚ではなく、育った環境の影響」と切り分けてみる
収支・ミニマムコスト不明型 毎月なににいくら使っているか、正確には分からない 家計の数字を一度書き出してみる
老後不安型 老後の必要額を、自分の場合で計算したことがない 「自分の場合はいくら必要か」をざっくりでも出してみる
幸せの基準が自分の外にある型 貯金があっても、まだ足りない気がする 「私は何があれば満足なんだろう」を考えてみる
情報に煽られる型 ニュースやSNSを見るたびに不安が強くなる 不安になる情報から意識して距離を取ってみる

全部を一度にやる必要はありません。

どれかひとつ、気になったものから手をつければ十分です。

お金の漠然とした不安に関するよくある質問

お金の漠然とした不安に関するよくある質問

お金の漠然とした不安について、よく聞かれる質問をまとめました。

漠然とした不安は、なくすことができますか。

完全にゼロにするというより、正体を知ることで、不安とうまく距離を取れるようになります。

「なんだ、これが原因だったのか」と分かるだけで、気持ちはだいぶ軽くなります。

複数のタイプに当てはまる場合はどうすればいいですか。

いくつか重なっているのは、珍しいことではありません。

一番心当たりが強いものから、ひとつずつ向き合ってみてください。

この不安は、家計簿をつければ解消しますか。

収支・ミニマムコスト不明型には、かなり効きます。

ただ、親からの刷り込み型や情報に煽られる型のように、数字ではなく捉え方が原因のタイプには、家計簿だけでは解消しません。

お金の不安で何も手につかないときは、どうすればいいですか。

まずは、不安を頭の中だけで抱えないことです。

紙でもスマホでも、今の収入と支出を書き出すだけで、ぼんやりした不安が具体的な数字に変わります。

何に不安だったのかが見えると、次に何をすればいいかも見えてきます。

貯金はそれなりにあるのに、不安が消えません。なぜですか。

お金の量と安心感は、必ずしも比例しないからです。

「これだけあれば大丈夫」という自分の基準がないと、いくら貯めても不安は残ります。

金額ではなく、自分にとっての「足りる」を決めることが先になります。

まとめ

「なんとなく不安」には、5つのタイプがありました。

親からの刷り込み型、収支・ミニマムコスト不明型、老後不安型、幸せの基準が自分の外にある型、情報に煽られる型です。

得体の知れない不安も、正体が分かればそこまで怖くありません。

今日から急いで何かを変える必要はありません。

まずは、「私の不安はどれに近いんだろう」と考えてみるところから始めてみてください。

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