「これは限界かもしれない」
そう思ったのは、職業訓練校の終わりが近づいていた、2025年7月頃でした。
次の就職先が決まり、私はその会社に業務委託という形で少し早めに入り、出社でのレクチャーを受けていました。
新しい環境への期待と不安が入り混じる中、ある朝、ふと腕がかゆくて目が覚めたのです。
見ると、赤く腫れた蕁麻疹がびっしり。
でも、不思議と驚きはなくて、「あ、これは体からの警告だな」と、妙に冷静に感じたのを覚えています。
目次
パートという「保険」があったはずなのに
当時の私は、訓練校で身につけたスキルを活かし、副業としてライターやWeb制作の仕事を少しずつ広げていました。
「いつかはフリーランスでやっていきたい」という気持ちはあったけれど、完全に委ねるにはまだ怖くて、「まずはパートで雇用されながら少しずつ実績を積もう」という、安全策をとっていました。
仕事内容は、まさに「やってみたかったこと」そのもので、最初はうれしさもありました。
「ここでなら頑張れるかも」と、前向きに働き始めたのです。
でも、実際に入ってみると少しずつ、でも確実に、違和感が積み重なっていきました。
合わない働き方に、じわじわ削られていく
まず、「基本リモート」と聞いていたのに、入社してみたら「出社前提です」と言われ、週に何度も通勤するようになっていました。
通勤に時間も気力も奪われ、生活のリズムも崩れていく。
狭い空間に何人も詰め込まれたオフィスは、換気が悪く、夏でも空気がこもりがち。
においも強く、軽い頭痛がするような日もありました。
さらに衝撃だったのは、「トイレは使えません」と案内されたこと!!(←信じられる!?)
「近くのパチンコ店を使ってください」と言われて、さすがに言葉を失いました。
そしてもう一つ、私にとって大きかったのが、「理不尽で非効率なルール」に従うことのストレスでした。
「なぜ、効率よくできないのか」「もっと柔軟に動けないのか」と感じながらも、黙って従うしかない。
その感覚が、じわじわと心身に効いてきました。
自分で決められない毎日が、苦しかった
私は、自分でその日のスケジュールを決めたいタイプです。
「今日はここまでやって、明日はペースを落とそう」といった調整が、自分でできないと、ものすごく疲れてしまう。
決まった時間に決まった場所へ行き、与えられたことをこなすだけの日々は、次第に「やっている」ではなく「やらされている」感覚へと変わっていきました。
仕事内容は好きなはずなのに、毎日少しずつ、体も心もすり減っていく。
気づけば、胃が痛む日が増え、眠りも浅くなり、朝からイライラしていることが増えていました。
リモートになって、体が正直に答えを出した
「リモートできないなら辞めます」と伝えたら、リモートできることになりました。

するとあれだけしつこく出ていた蕁麻疹が、数日でぴたっと引いたのです。
まるで体が「やっぱり、原因はあれだったんだよ」と教えてくれたようでした。
リモートになってからの1ヶ月は、とても穏やかでした。
時間の使い方も、仕事の進め方も、自分の感覚に合っていて、やっと呼吸できるような気がした。
でも安心したのも束の間、また少しずつ出社の要請が増えていったのです。
「来週はこの日だけ来てください」
「やっぱり現場に来て対応してもらえたほうが助かります」
そう言われるたびに、「また戻るのか」という不安がよみがえってきました。
もう一度、壊れるわけにはいかなかった
私はその時、はっきりと感じました。

仕事内容が好きでも、環境が合わなければ、私には続けられない。
それがもう、はっきりとわかっていました。
試用期間が終わるタイミングで、私は会社を辞めました。
そして、次の就職先を探すことはしませんでした。
「一回、雇われるのやめてみよう」
ありがたいことに、当時すでに複数の業務委託案件が動いていて、収入はまだ少なかったものの、「半年くらいなら、支出を抑えながらならやっていけるかもしれない」という感覚はありました。
それに、少しの貯金もあった。
だから私は、自分にこう言いました。
「一回、雇われるのやめてみよう。業務委託だけで、半年やってみよう」って。

自分でスケジュールを決められる日々が戻ってきた
会社を辞めて数ヶ月。
フリーランスとしての毎日は、予定通りにいかないこともあるけれど、それでも私は、日々を穏やかに、そして自分らしく過ごせています。
朝、娘の学校を送り出してから、ストレッチをして、コーヒーを飲んで。
午前中に集中して仕事をして、午後はゆるめに予定を組む。
仕事がない日は、ブログを書く。
忙しい日もあるけれど、「今日はやらない」と決めるのも自分。
その自由が、何よりも心の安定につながっていると感じます。
無理にがんばらなくても、ちゃんと回る生活
以前の私は、どこかで「もっとがんばらなきゃ」「もっと稼がなきゃ」と思い込んでいました。
不安を埋めるために、仕事を増やして、忙しさでごまかしていたような気もします。
でも今は、「これでいい」と思える瞬間が、少しずつ増えてきました。
誰かと比べる必要はない。
他の人のペースで生きなくても、私の生活は、ちゃんと回っている。
むしろ、「ちょっと余白があるくらい」の毎日のほうが、私は安心して働けるんだと気づきました。
フリーランスになってわかった「これでいい」の感覚
この働き方が完璧だとは思いません。
不安がゼロになったわけでも、すべてが順調なわけでもない。
でも、今の生活には「嘘」がない。
無理して笑わなくていいし、自分の心と体の声をちゃんと聞きながら働ける。
それだけで、十分すぎるくらいの価値があると、私は思っています。
今後のブログでは、業務委託で安定をつくるために実際にやっていることや、自分なりの「働き方の軸」についても書いてみようと思っています。
どこかの誰かにとって、「あ、こういう道もあるんだ」と思ってもらえたらうれしいです。